日本のインターネットは世界最高水準
2016/05/12
日本のインターネット環境は世界最高水準だということを紹介します。
角川のインターネット講座第1巻「インターネットの基礎」を読んだ
「角川インターネット講座シリーズ」第1巻の「インターネットの基礎」を読みました。
角川インターネット講座 (1) インターネットの基礎情報革命を支えるインフラストラクチャー
著者は「日本インターネットの父」といわれる「村井純」先生。インターネットの歴史はまだ40年ほどですが、そのインターネットの発展とともに歩んできた著者の文章には単なる理屈ではない生々しさがあり、本当におもしろかった。
本書の内容は「インターネットがどのように発展してきたか?」という技術史である。プログラミングの話しはほとんど出てこない。プログラミングについてはインターネット講座第2巻の「まつもとゆきひろ」氏が語ってくれるだろう。
インターネットがどこでどのように生まれ、発展してきたかがこの「インターネットの基礎」1冊を読めばわかるようになっている。そしてこれが一番大事なのだが「インターネットの設計思想」が分かる。
日本のインターネットは世界最高水準
本書の細かい内容についてはここでは触れない。実際に読んでもらうのが一番だからだ。
ただ私が本書「インターネットの基礎」を読んで感じたことを1つだけ書いておく。
それは「日本のインターネットは世界最高水準」であるということだ。インターネット普及率と光回線などの高速回線が充実しているなどの環境面でもそうだし、日本人がインターネットコミュニティにおいて果たしてきた研究者としての役割としてもそうなのだ。
私はソフトウェア分野においては日本は外国に遅れをとっていると漠然と思っていたのだが、実はインターネットの世界において日本はアメリカとともに最先端をずっと走ってきていたということが本書を読んでよくわかった。これは村井純先生をはじめ多くの日本人技術者の努力の賜物である。
インターネットに国境はない
日本のインターネットが世界最高水準にあるということは日本人としてとても誇らしいことではある。しかし矛盾したことを言うようだが、国家というものはインターネットには元来存在しない概念だ。
インターネットはその設計思想/開発方法に「国」や「国境」という概念のない「グローバルなネットワーク」なのである。
またインターネットには特定の権威というものも存在せず、分散した小さなネットワークが自律的かつ協調して動作することで機能している。
そういう意味では「日本のインターネット最高~!」などといっているのは、まだまだインターネットのことが分かっていないということなのかもしれない。
ともかくインターネットという「国境のないグローバルなネットワーク」はこれまでの人類の歴史上なかったものなのである。だからインターネットをどう使っていくのか?は私たちの前人未到の課題なのだ。
インターネットは未完成である
本書「インターネットの基礎」の巻末にはTCP/IPプロトコルの産みの親であり、現在Google副社長のヴィントン・グレイ・サーフ氏の慶応義塾大学における講演が記録されている。
そこで語られる「インターネットはいまだ発展途上であること」と「今後のインターネットの課題」も読みどころだ。
一般の人にとってはインターネットはまだまだ早く便利になると夢が描ける内容である。専門家や研究者にとっては学問的な研究課題のヒントが得られるに違いない。
まとめ :インターネットの未来を切り開こう
以上、日本のインターネット環境は世界最高水準であるということを書いてきました。
まとめると
- インフラ環境も研究レベルも日本のインターネットは世界最高水準である
- インターネットに国境はない
- インターネットにはまだまだ改良の余地がある
ということでした。
今後もインターネットが世界を変えることは間違いありません。その変化を担うことがあなたにもできるかも知れませんよ。
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