エセオタクの登場でオタクという言葉の意味がゆらいでいる
2016/02/12
2015年12月現在、若者たちの間で旧来のオタクとは違うエセオタクという存在が増えはじめているそうです。
若者の間に「エセオタク」が激増しているワケ | 東洋経済オンライン
エセオタクの意味
エセとは「似非」と書き「似て非なるもの」ということなので、エセオタクとはオタクに見せかけた偽物のオタクということですね。
またエセには「質が悪い」という意味もあるので「質の悪いオタク」という意味でもありそうです。
エセオタクと従来のオタクとの違い
記事によるとエセオタクには従来のオタクとは違う以下のような特徴があるそうです。
- 自らオタクであると自称する
- オタク知識はあまり深くない(あくまでガチオタとの比較)
- オタク活動にかける時間とお金が圧倒的に少ない(こちらもガチオタとの比較、収入の3割でも少ないといわれる)
- ディズニーオタクなど、従来のオタクが対象にしてこなかったメジャーなカルチャーも対象としている
エセオタクはコンテンツをコミュニケーションツールや自分のキャラクターを表現するツールととらえているようです。そこが従来のオタクとは決定的に違うところです。
エセオタクについての考察
ここからは私の考察です。記事を読んで私は2つの違和感を覚えました。
ライトなオタクなど存在しない
記事でエセオタクのことをライトなオタクと呼んでいて、面白い表現だなーと思いました。
そもそものオタクというのはコミュニケーション能力が極端に低い代わりに、自分の好きな世界に関しては異様な執念を持って取り組んでいたもしくは全力で逃げ込んでいた人たちだったはず。そこにはライトなどという言葉は入り込む余地はありませんでした。
そういう旧来の常識に照らすと、ライトなオタクという存在そのものが非常に不思議です。
オタクは自称するものではない
また旧来の常識ではオタクは他人からの蔑称であって自称することではありませんでした。
ほんの10数年前までは自分がオタクであることは隠すべきことであり、ほとんどのオタクはカースト下層の日陰で生きてきたはず。
オタクであることを自称することが自分のブランディングになる時代が来ようとは夢にも思いませんでした。
オタクという言葉の定義がゆらいでいる
以上の考察の結論は「今、オタクという言葉の定義がゆらいでいる」ということ。
オタクという言葉の意味するところが、私が学生だった20年前とは相当に違ってきているようです。
現在のオタクは要するに「何かにハマっている人」程度の意味なのではないでしょうか。
ネット上でのコミュニケーションは言葉が過激になりがちな一方で、言葉が軽くなる力が働いているように思います。
だとすればいつの間にかオタクという言葉もネットの圧力にさらされて意味が薄まってしまったのかもしれませんね。
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