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「冴えない彼女の育て方」見どころはリアルと虚構が同居していること

      2016/03/01

フジテレビ系列のノイタミナ枠にて放送中のアニメ「冴えない彼女(ヒロイン)の育て方」。

よくあるラノベ原作の萌えアニメか思いつつ見はじめましたが、思いのほかツボにはまる作品でした。

もしかしたら「涼宮ハルヒの憂鬱」と「とらドラ」と並び立つ歴史に残る萌え作品になるかもしれません(私の中で)。

ということで今回は”胸がキュンキュンする”「冴えカノ」の魅力について語ります。

冴えカノとは?

冴えカノは人気ラノベが原作のアニメ。

高校生活真っ只中、主人公は重度のアニメオタクで自分の理想とするギャルゲーを作り上げるためにサークルを立ち上げます。

サークルのメンバーは主人公以外は全員カワイイ女の子。それぞれの分野で突出した才能も持っています。

しかも女の子たちは例外なく主人公に惚れている状態から物語はスタートします。

ここまではよくある萌えアニメやラノベの設定で、現実とは果てしなく乖離した自分勝手な男の願望にのっとったものとなっています。

しかしそんな中にあってメインヒロインだけが異色なのです。どう異色なのかというと「果てしなく普通」の女の子なのです。

普通とは別の言葉で言えば「現実に存在する女の子」ということ。

それがもっとも端的に表れているのが名前で、主要な登場人物の名前は”澤村・スペンサー・英梨々”とか”霞ヶ丘 詩羽”というアニメの世界特有の超珍しい名前であるのに対してヒロインは「加藤恵」という逆に超ふつうにいそうな女の子が紛れています。

そう、つまり冴えカノとは「萌えアニメの世界の中に1人だけヒロインとして普通の女の子を入れて、普通に恋愛させてみたらどうなるか?」という実験的な作品なのです。

「冴えない彼女の育て方」の見どころ

加藤恵がすごくリアル

というわけで本作品のポイントはヒロイン「加藤恵」がいかにリアルに描けているかにあることをお分かりいただけたと思います。

で、実際これがすごくよくできているんですね。

普通の女の子が普通に恋愛するときにどんな反応をして、どんな表情をして、どんな行動を取るかということがとってもリアルに表現されています。

例えば「#3 クライマックスはリテイクで」。

この時点で加藤恵は主人公に心が引かれているのだけれど、鈍感な主人公はそれに気がつかない。というか3次元の女の子とつきあうという発想がない。

というわけで加藤恵は主人公とつきあうために、サークルの他メンバーに頼んで主人公を応援する作戦を秘密裏に進めてみごと成功させるのです。

この一連の加藤恵の行動がリアル。

普通の女の子がこういう男の子をすきになったら、こういう風に悩んでこうするんだろうなと思わせるリアリティがあるんですね。

特にサブヒロインに相談して協力させるなんて普通のラノベではありえないんじゃないだろうか。

鈍感な主人公

とはいうものの前述の加藤恵の作戦で主人公から引き出せたのは「お前を胸がキュンキュンするようなヒロインにしてやる!」という言葉で、「お前が好きだ、つきあってくれ!」という直接的な言葉ではなかったんですね。

それでも加藤恵はその言葉をそういう意味だと受け取っているようですが。

こんな風に、主人公とヒロインは同じ出来事を違う視点で見ています。

主人公は「理想のギャルゲーのヒロインに加藤恵を育てる物語」だと見えているものが、ヒロイン加藤恵にとっては「好きな男の子と恋に落ちて彼女になるまでの物語」に見えているのです。

この2人の目線で作品を何度も見返すと色々と発見でして面白いですよ。

虚構とリアルが交わるときは来るか?

アニメ「冴えない彼女(ヒロイン)の育て方」はまだ完結していないので、2人の関係がこれからどう展開していくのかはわかりません。

ただどういう結末になるにせよ、本作品は二次元にしか興味を持てなかった男の子が生身の女の子に向き合うことを考えさせる作品になるように思えてならないのです。

現実は現実、虚構は虚構。虚構は所詮、自分に都合の良いように作られた世界です。

アニメやゲームの世界にハマる本質は『現実逃避』。一時だけ面倒な現実を忘れて楽しい世界で遊ぶのはもちろん趣味として正しいです。

ですがいつか面倒な現実と向き合って、生身の女の子に正面からぶつかっていかねばならない時がくるのです。

そんな時に『現実の女の子だってこんなにカワイイんだよ』って勇気づけてくれるのが、冴えカノの魅力ではないでしょうか。

オープニングテーマもオススメ

鈍感な男の子に何度もシグナルを送る女の子というストーリーとなっています。

本記事で話題にした第3話はこちらの円盤に収録されています↓↓

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