「相場で負けたときに読む本」を読んだので感想を書きます。なお本書は「実践編」と「真理編」の二冊構成となっています。本記事は両方を読んだ感想となります。
初心者にも分かりやすい相場メンタル本
「相場で負けたときに読む本」は山口祐介さんというプロディーラーあがりの凄腕個人トレーダーが、自身の10年以上の相場経験に裏打ちされた相場哲学を書いた本です。※山口雄介さんは現在SHARK FUNDというトレーダー教育事業もしている
本の内容の大部分は投資のメンタル面について書かれているので、相場メンタル本に分類してよいかと思います。
私はここ最近トレードに勝つためにメンタルの大事さを感じていて、まずメンタル本として最も有名なゾーンを読んだのですが、私のトレーダーとしての経験が浅すぎたのか、あまり頭に入ってきませんでした。
投資心理学本「ゾーン」を読んだ感想 ←その時に書いた感想がコチラ
その点、今回読んだ「相場で負けたときに読む本」はゾーンよりも読みやすかったです。
コラム形式で読みやすくなるほどと思うところが多く、具体的ですぐに実践しやすいアドバイスが満載です。日本人が書いたものなので文章的に頭に入ってきやすいです。また特に分かりやすい例え話しが秀逸だと思いました。
「相場で負けたときに読む本」の感想
ここからは「相場で負けたときに読む本」を読んだ感想を書いていきます。主に得られた教訓です。
トレード中は常に冷静でいることが大事
「トレードの成否の9割は心理的なもので決まる」と豪語する本書ではトレード中は常にロボットのごとく冷静でいることが推奨されています。いわく冷静さを失ったトレーダーから負けていくと。
これは確かに私のトレード経験からも納得できることで、連敗しているときは自信喪失してどうしても次のトレードが怖くて仕方なくなることがある。そんなときは良いチャンスが来ても見落としてしまい、後になって、なんでこんなに絶好のチャンスを見送ったんだ!と激しく後悔するパターンが何度もあったんです。
なぜ明らかなチャンスを見逃すかというと、不安な心理状態がチャートを見る目にバイアスをかけているからなんですね(この場合は良いシグナルを無意識に排除してしまっている)。逆もまた真なりで連勝で有頂天になっているときは、不利な状況にもかかわらず悪いシグナルを無意識に見落として仕掛けてしまいます。
こういった感情は人間だったら当たり前に持っているものだと私は思うのですが本書では「上級トレーダーは勝っても負けてもなにも感じない」と書いてあり…ホントかよ!?と思うのです。まあでも理想として目指すべき境地であることは理解できます。トレード経験を多く積めば私も上級トレーダーのメンタルを身につけられるのかなー。
損切りせよ。ストップロスを置け。逆指し値を置け。
初心者はなぜ負けるのか?それは「損切りができないから」という一言につきる、ということがよくわかりました。
さらに突っ込んでなぜ損切りできないのか?というと「利食いは気分がよいが損切りは気分が悪い」という心理が原因。この心理の結果「早めに利益確定し、損切りが遅れる」という典型的負けトレーダーが誕生するのです。いわゆる損小利大の逆の損大利小ですね。
こう考えてみると損切りできないというトレーダーの欠点は深い人間性に根ざしたものであることがわかります。普通にトレードしていたら負けるのは当たり前で、何か対策をしなければ勝つトレーダーにはなれないのです。
私の場合は幸い損切りルールが明確なので損切りをしないで塩漬けなんてことはないのですが、損切りするときの気分の悪さは激しく体験しています。損切りしたあとにすぐに反転するあの口惜しさといったら!
でもその損切りをしないのは例えれば命綱なしで綱渡りをするようなもの。たったの一回の負けで相場退場に追い込まれる危険な行為なのです。
負けトレードから学ぶ
「上級トレーダーは勝ちを増やすことより負けを減らすことを考える」という思想に共感。ちょうど私がいま取り組んでいることなので。
負けトレードを分析して負けるパターンを見つけ、次からは同じ失敗をしないようにすれば負けが少なくなり結果的に勝てるハズ。
未来を予想するのではなく未来に対応する
「優秀なトレーダーとは未来を予測することができる人のことではなく、起きた未来に対応できる人のことである」という思想にも共感しました。
未来を予測する努力をするのではなく、こういうことが起きたらこういう対応をする、という引き出しを多くすることに努力しようと思いました。
まとめ:相場で負けているときに元気をもらえる本
以上「相場で負けたときに読む本」を読んだ感想をお届けしました。まとめると、
- 相場で負けたときに読む本は非常に有益な相場メンタル本である
- トレード中は常に冷静でいることが大事
- 初心者が負けるのは損切りできないメンタルが原因
- 勝ちを増やすことより負けから学び負けを減らすことに集中すること。負けが減れば最終的に勝てる。
- 未来を予想するのではなく、何かが起きたときに反応できる引き出しを多く持つこと。
ということでした。
本書はタイトルにあるとおり、トレードに負けたとき、うまくいかない時に元気を与えてくれる本です。
もし最近前向きにトレードに取り組めていない…という悩みをお持ちの方には特によく効くと思いますよ。
コメント
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